夢のような言葉『リタイア』

土曜日は13時で閉店して上京し、高校同期の仲間と喋りまくった。翌朝Oご夫妻とモーニングサービス。12時20分のスカイマークで千歳着は14時。機内で隣り合わせた赤ちゃん連れの新妻を手助けし、一ヶ月の赤ちゃんをだっこしてあげる。だって大量のウンチするんだもの。16時に砂川着。帰宅してすぐに老母をみまう。なんと今日は目を開けていた。この2週間ほどは、どんなに呼びかけても目を開けようとしなかったのに。驚く。7時くらいにはベッドに入ってしまった。ほぼ10時間の睡眠で起床、テレビ体操。いつもの事だが、月曜は忙しい。荷明けを終えて銀行に行き、選書の入金、4件を確認する。昼はチキンカレーを流し込み爆睡。四つの荷造り、発送を終えたらもう16時。慌てて市立病院へ、治験審査委員会。ドクターヘリが上空を舞い、救急車が走り回る中を店に帰り着いて、本日の選書。2件でギブアップ。歌会の投票もせにゃならぬのにヘトヘト。愛知県から「お話を聞かせてもらいたく…」という電話で、来週も忙しくなりそうだ。

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冬の薔薇

Photo_2 先ず最初に訂正とお詫びをしなくてはなりません。先々週のこのコーナーで書きました「死への準備」日記の作者は須賀さんではなく千葉敦子さんです。忙しさに追われて、とんでもない間違いをして、気づきませんでした。お詫びいたします。時間に追われてやる仕事にはミスがつき物です。本当に気をつけなくてはいけません。仕事に追われて忙しくなる事が判っているのだから、対策は簡単です。自分の能力を見極め、無理をしないで一つずつ、着実に取り組むこと。具体的には、早寝早起きのペースを守り、気分転換も図りながら前に進んでいくということでしょう。学校時代の仲間内で俳句と短歌を楽しんでいます。偶数月は短歌、奇数月は俳句でして、お題を決めて、発表し合います。揃ったら、皆で投票しあい、作者あてっこなどもして楽しんでいるのです。とんでもない事になって、忙しくってしょうがないから、休会させてよと申し入れたら、叱られました。忙しい時ほど、30分でもいいから頭を切り替えてスッキリさせたほうがいいのだそうです。そう云われればそのとおり、誰もが決してヒマだから歌を作っているわけではないですよね。ランドセル俳人の小林凜君と日野原先生が共著で本を出しました。とてもイイです。

冬の薔薇立ち向かうこと恐れずに  ブックマン社 著者 小林凛 日野原重明 価格 1,404円(本体1,300円+税)


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跳びはねる思考

Photo 苦しくてたまらなくなると、空を見上げます。目に飛び込んでくるのは、抜けるような青空と白い雲です。見ている僕はひとりぼっちなのに、世界中の人とつながっている気分になります。自然はどんな時も、人々に平等です。そのことが僕の心を慰めてくれるのです。お日様は頭上を照らし続け、風は四六時中、僕の隣を通り抜けます。木々の緑は美しく、空気は澄んでいます。こんな自然の中でなら、ありのままでいられるのです。つらい気持ちはどうしようもありませんが、ひとりではないと思える瞬間が、僕を支えてくれます。…これは、会話のできない重度の自閉症者である東田直樹君がパソコンで綴った文章です。彼は云います…僕は、二十二歳の自閉症者です。人と会話することができません。僕の口から出る言葉は、奇声や雄叫び、意味のないひとりごとです。普段しているこだわり行動や跳びはねる姿からは、僕がこんな文章を書くとは、誰にも想像できないでしょう。只でさえ「生きづらい」世の中は、ますます弱者に厳しい社会になっていくようです。人はダレでも何らかの障害を抱えて生きています。どんな環境の中にあっても美しく咲こうとし、種をのこそうとする植物のように生きたいと云うのです。

『跳びはねる思考』 イ-スト・プレス 著者 東田直樹 価格 1,404円(本体1,300円+税)

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明日の子供たち

Photo テレビで紹介された反響がものすごく、まだまだバタバタしています。ホームページやフェイスブック上では「新規の申し込みを中止しています」という表示にしてあります。それでもネット上に拡散してしまったようで、注文のFAXやメールが舞い込んでくるのです。現代の口コミの威力をまざまざと思い知らされています。
 送られてくるアンケートには、それぞれの方の思いのたけが綴られています。病と闘っている人、それを支えている人、家族を亡くしてぽっかりと穴が開いたような気持ちになっておられる方、就職を前にたとえようも無い不安に怯えている若者…事情は色々です。そんな方々の心の支えに(ほんの少しでも)なれればイイなと願いながら本を選び続けています。
 有川浩の新刊『明日の子供たち』は児童養護施設が舞台の物語。施設ですから、そこにはそれぞれに事情(問題)があって親とは一緒に暮らせない子供たちが一つ屋根の下で暮らしているのです。その『あしたの家』にやって来たのが、ソフトウェア会社の営業から転職してきた三田村です。TVのドキュメンタリー番組に触発されて転職を決意した、やる気だけは人一倍の主人公。子供も大人も互いに「何か」を抱えながら生きていくのですね。

『明日の子供たち』 幻冬舎 著者 有川浩 価格 1,728円(本体1,600円+税)

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そこのみにて光輝く

Cover
第38回モントリオール世界映画祭の授賞式が1日行われ、綾野剛(32)、池脇千鶴(32)が出演した「そこのみにて光輝く」の呉美保監督が最優秀監督賞を受賞しました。じつはこの原作を書いたのは、僕の友人で、何度も芥川賞候補となりながらも41歳で自死してしまった佐藤泰志なのです。
二つ年上の彼は、高校時代に「市街戦の中のジャズメン」で有島青少年文芸賞を受賞しています。しかし受賞していながら、高校生の作品としては政治的に過ぎるという事で、北海道新聞は紙面への掲載を見送るという判断をします。 当時の反体制的なムードの中で、いわば逆の勲章を授かったようなものでした。函館市内の高校の文芸部同士の交流の場に現れた彼は、僕にはまるで雲の上の人間のように見えたものです。長い下積みの生活が続いて、やっと芥川賞の候補になった時、僕は函館まで駆けつけて、朝まで語り合ったものでした。しかし二十数年も経って、作品が続けて映画化され、しかも 海外の映画祭で受賞するなんていうことを誰が想像しえたでしょう。モントリオールで呉美保監督や綾野剛が佐藤泰志のことを話していました。人生は最後まで判らない、いや死んでからだって、何が起こるか判らないのですよ。

そこのみにて光輝く 河出書房新社 著者 佐藤泰志 価格 702円(本体650円+税)


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アレはスゴかった!!

Photo 6月に収録した番組が先日、放映になりました。テレビ朝日の『アレはスゴかった!!』のなかで『田舎にあるのに全国から注文が来る本屋さんがスゴかった!!』という具合に取り上げられたのです。日曜の深夜、11時45分からなんてダレも観てないよ…と思ったのが大間違い。朝起きて、パソコンを立ち上げたらメールが数十通。スマホで調べて送信できるので、電話の比ではないのですね。そして店に行ったら、今度はFAXのデータが溜まっていました。本を選んで送って欲しいと言うものです。もちろん、お客様の人となりを想像して選書するわけですから、家族構成とか、仕事の内容、これまでの人生を振り返って楽しかった事や、悲しかった事を質問させてもらいます。そんなやり取りを、メールやFAXで繰り返すのですが、何しろ件数が増え続けるのです。お一人お一人にあった、きっと喜んでもらえるであろう本を考え無くてはなりません。急がなくていいからと言ってくださるお客様ばかりなので感激してしまいます。それにしても、こういう事に取り組むと、今を生きる日本人の姿が見えてくるようです。どんなに辛いことや厳しい体験をしても、心の拠り所を本に求めて下さっている事に気づかされるのです。


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アレはスゴかった

Photo 6月に収録した番組が先日、放映になりました。テレビ朝日の『アレはスゴかった!!』のなかで『田舎にあるのに全国から注文が来る本屋さんがスゴかった!!』という具合に取り上げられたのです。日曜の深夜、11時45分からなんてダレも観てないよ…と思ったのが大間違い。朝起きて、パソコンを立ち上げたらメールが数十通。スマホで調べて送信できるので、電話の比ではないのですね。そして店に行ったら、今度はFAXのデータが溜まっていました。本を選んで送って欲しいと言うものです。もちろん、お客様の人となりを想像して選書するわけですから、家族構成とか、仕事の内容、これまでの人生を振り返って楽しかった事や、悲しかった事を質問させてもらいます。そんなやり取りを、メールやFAXで繰り返すのですが、何しろ件数が増え続けるのです。お一人お一人にあった、きっと喜んでもらえるであろう本を考え無くてはなりません。急がなくていいからと言ってくださるお客様ばかりなので感激してしまいます。それにしても、こういう事に取り組むと、今を生きる日本人の姿が見えてくるようです。どんなに辛いことや厳しい体験をしても、心の拠り所を本に求めて下さっている事に気づかされるのです。


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半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義

Photoアニメ『風立ちぬ』を観ました。糸川先生がそっくりで笑ってしまいます。砂川地域大学、最初の講師でしたね~、スゴイ方を呼んだものです。
 大正十一年にワシントンで海軍軍縮会議が開かれ、世界の建艦競争がストップします。軍艦ばかり造って武力を競い合っていると財政が持たないのが理由です。主力艦の保有量を制限され、日本対米英六割とされました。そのために鉄と工員さんが大量に余ってしまった。それを何とかしようという事で、隅田川に立派な鉄橋がばんばん架けられたと言うのですから驚きです。もしも軍艦をこさえていれば、多くの兵隊さんと一緒に海の藻屑となっていたでしょう。鉄橋は今でも立派に役に立っているのですから、歴史に学ぶべきです。
 これは半藤一利さんと宮崎駿さんの対談集『腰ぬけ愛国談義』に出てくるお話です。アメリカの力が弱まり、中国の軍事力がさらに増強される。アメリカの空母によって中国を抑止し、日本などの安全を保障する力が低下する。中国のミサイル攻撃を防ぎ得ない日本に基地を置く意味が無くなるという時代にさしかかっていると言う認識で、お二人は一致します。そうなら日本のような小国は世界の脇役として生きていくほうがいいのだと言うのです。

『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』 文藝春秋 著者 半藤一利 宮崎駿 価格 616円(本体570円+税)

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日本の聖域 この国を蝕むタブ-

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 国民の義務だと習ったから、選挙権を行使しなかった事は一度も無い。けれども、良かれと思って投票した候補が当選した事が一度も無いと嘆いていた人を知っています。確かに小選挙区制になってから、政党執行部の力は強まりました。政党にとって必要なのは「議席数」であって、「独自の政治的見識を備えた、選挙区の選挙民の支持がある政治家」ではないのです。国会運営でも、すぐに党議拘束をかけて異論を封じ込める事にそれが見て取れます。先祖代々「政治家」という家業を世襲する議員たち、それを選んだ選挙民が悪いのだと言われればそれまでですが、このままでイイとは誰も思っていないでしょう。前回の選挙結果では、自民党は選挙区で四三%、比例区で二八%の支持を得ただけです。その内閣が、立法、司法の意見に耳を傾ける事なく、いやむしろ最初から無視するつもりで閣議決定したのですから驚きです。その内容は「日本の軍事の全権は内閣総理大臣にある」というに等しいものです。どこかの国の指導者を「独裁者」等と非難できないどころか、世界からは同じように見られても仕方の無いことかもしれません。しかもこの「独裁」には選挙による正当性までもが付与されているのですからね。

『日本の聖域この国を蝕むタブ-』 新潮社 著者 「選択」編集部 価格 1,512円(本体1,400円+税)

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認知症とわたしたち

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 いつか自分も認知症になるかもしれない。飲み会などのくだけた会話で、こうした話題が出るようになりました。認知症の家族がいるという人は珍しくなく、身近な問題として自然に受け止められるようになりました。少し前までは認知症が「呆け」「痴呆症」と呼ばれていた事を思うと、社会が大きく変化していると思わざるを得ません。認知症も様々な病気のうちのひとつです。病気になっても、それに向き合い、生き生きと豊かな人生を生きていける方策はあるはずです。
 徘徊させないのではなく、徘徊しても安心な街をつくろう、という取り組みが行われているのは福岡県大牟田市。住民らが参加して行われる町ぐるみの徘徊模擬訓練は、お年寄り役の約40人が市内各所から「徘徊」し始めるという想定でスタートします。徘徊する人を発見して声をかければ訓練は終了。このために住民たちは、お年寄りへの声のかけ方などを講座で学んでいるというのです。砂川商店会連合会も砂川市立病院の協力の元、お買い物に来られたお年寄りへの対応などを学ぶ講座をスタートしました。少しの努力をこつこつと積み重ねることによって、なんとか安心して年齢を重ねていける町づくりをめざそうとしているのです。

認知症とわたしたち 朝日新聞出版 価格 1,404円(本体1,300円+税)


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