大学新聞
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『目撃!文化大革命』 太田出版 土屋昌明 価格 3,500円(本体3,333円+税)
今日考えようとするのは中国との問題です。これはすごく難しいのです。例えば僕たちは札幌や旭山動物園で多くの中国からやって来たであろう観光客を目にします。話す言葉を聴かなければそうとは判らない人々は観光北海道にとっては大切なお客さまです。
ただし日本に旅行できるような富裕層はほんの一握りの人々であり、多くの人々は、人件費が安いからというただそれだけの理由で働いている労働者であるという事です。 そうして彼らがとても安い給料で働いてくれるおかげでカシミヤのセーターを安く買えたり、40個298円のCOOP手作り餃子を喜んで買っているのが私たち日本の消費者であるからです。
グローバル化は貧しい国にはなるべく貧しいままでいなさいと強いる仕組みです。富める国が資源と人を奪いつくすまで、その「差」こそが彼らの利益である訳です。グローバル化(中国語で云う全球化)の道を中国が選択したという事は貧富の差を広げ続けるという事でしか生きられないという事です。
義憤に駆られた中国人の一団が薄給のスーパーのレジ係をこづき回したり、冷静な対応を求めた車椅子の聖火ランナーが英雄から一夜にして売国奴と罵られる状態に陥ったりするニュースに接する度に何とも云えないイヤな気持ちがせり上がって来るのです。
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今や政権転覆の最大要因になりそうな後期高齢者保険制度。これが国会で決まったのが2年前。ちょうどその一ヶ月前に僕は恵比寿の友人を訪ねた折に国会議員会館に早稲田商店会の安井さんを訪ねていたのですよ。
委員会での議決について彼は「何だか判らないけど、前の方でウチワみたいなものを上げたり下げたりしている人の合図で立ったり座ったりを繰り返す」のだと言っていました。
大体そんなものだろうなーとは思っていましたが…
2006年5月17日、後期高齢者医療制度など医療法案を審議していた衆院の厚生労働委員会で「審議も機が熟してきた」「是非この法案について、処理を進めるべきだ」と審議打ち切りを提案したのは公明党。野党の激しい抗議の中、審議は打ち切られ、強行採決された。この時、首相は小泉さん、厚労相は公明党の坂口さん。
小泉さんは「自分が総理大臣のうちは消費税を上げない」からと言ってこの法案を通してしまった。その中身については与野党の議員たちもマスコミの記者たちも判らなかった(というか調べなかった)のですね。判っていて(誰にも訊かれないから)黙っていたのが官僚たちですね。テレビも新聞も週刊誌もホリエモンの話しばっかりとりあげていたんです。
さてこれから国民としてはどうしなくちゃならんのか?地元の国会議員さんに訊くしかありませんね。
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『諸国物語』ポプラ社 価格 6,930円(本体6,600円+税)
月刊誌『文藝春秋』で連載されている立花隆さんのガン闘病記を読んでいたら、最近の先進的な大学生はどんどんテレビを見なくなっているそうです。マスメディアで話題になっている事(たとえばコジマヨシオ)はモニターの片隅でちょっと確認すればそれで十分で、テレビはもはやパソコンをやりながらの‘ながら視聴メディア’なのだそうです。
ではもっと古いメディアである新聞や本はどうなのかと自問するとこれもまた辛いものがあるのです。テレビがつまらない番組ばかり垂れ流して視聴者を減らしたように、本の世界でも同じような病巣が静かに拡大しているように思えてならないのです。
ただ救いなのは古典がまだしも読めるという事にあるでしょう。最近では古典新訳のシリーズが刊行され『カラマーゾフの兄弟』が驚くほど売れました。百年前の革命前夜のロシアでドストエフスキーが書き上げた物語が今の日本人の心に何を訴えかけたのでしょう。
では今読むべき傑作は、という事で紹介するのが『諸国物語』、世界文学の知られざる傑作が二葉亭四迷や森鴎外らの名訳で現代に蘇りました。翻訳の作業の中から新しい日本語の文章を生み出そうとする熱意に溢れた名文に心打たれます。
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人口・資源・環境問題というのは解かりにくいですよね。地球温暖化って言いますけど、恐竜たちが歩き回っていた時代から比べれば今は随分と寒いのだそうです。その恐竜たちも温暖化で滅んだのではなく、寒くなって凍え死んだのでしょう。そもそも全地球規模の温度変化の前では人間の出来る事なんて高が知れていますからね。
大体京都議定書のあたりから出てきた「排出権」なんてのも何かおかしな話でしてね、地下資源が豊富で国土も広いロシアにお金を払ってそんな物を買ってくるなんて誰が考え出したんでしょうねー。チョット信じられません。
昨年のバリ島での会議だって冷房の効いたリゾートホテルの中でやってますし、外にはクーラーをかけっぱなしの車を待機させていたっていうのですからまるでブラックジョークです。という以上の話しは皆が何かに気を取られていると、「それはちょっと変じゃない?」と水を浴びせかけてくる養老孟司、池田清彦さんの『ほんとうの環境問題』に出てくるわけでして、今日お奨めするのはこちら『日本には日本の家づくり』です。
冬暖かく夏は涼しい、地元のちゃんとした大工さんが責任を持って建てる住宅につて勉強してみませんかという一冊です。
『日本には日本の家づくり』 オフィスエム 寺島今朝成 価格 1,575円(本体1,500円+税)
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「懐かしの昭和」を食べ歩く PHP新書 森まゆみ 価格 998円(本体950円+税)
地域雑誌「谷根千」を発行するエッセイスト森まゆみさんの新刊『懐かしの昭和を食べ歩く』の後書きには、自分が書いた本がどうか売れませんようにと本当に書いてあるのです。
食の案内本といえば昨年暮に刊行された「ミシュランガイド東京2008」が話題になりました。若き天才シェフが理解あるスポンサーの協力を得て開店、セレブなお客様のために作り上げる絶品のフレンチ、なんてのが紹介されていたアレです。
紹介されたあと電話が殺到して予約が取れなくなったというのですからスゴイ事でしたよね。僕は端からああいうのは苦手でしてね。カレーとか焼鳥とかカツサンドとかそいう普通のものがちゃんと美味しいってのが最高だって思うのですよ。
雑誌「歴史街道」に連載された「昭和東京味めぐり」を集めたこの本に載っているのは、黙々と切り、煮、焼き、皿を洗い、のれんをかけ、床を掃き、卓を拭く。そんな食べ物屋さんに聞いたお店の歴史やエピソードです。
今度上京したときは何とか時間を作ってですね、行ってみたいお店が出てるんです。「酒を一本と鮨を一人前」って頼んでですね、ゆったりとした時間を愉しみたいもので、その為にもそんなには売れて欲しくない一冊です。
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『ニュ-ヨ-クのとけない魔法』 文春文庫 岡田光世 価格 620円(本体590円+税)
レジにいると色々な人がいるなーと思うのですが、過半数のお客は一言も口を利かないで帰って行きます。こちらが「いらっしゃいませ」と言おうが「ありがとうございます」と言おうが、何も帰ってきません。
何か機嫌でも悪いのか、それとも「あまり人に知られたくない本を買ってるんだから、見られない内にさっさと袋に入れちゃってよー」と思っているのかつり銭だけを受け取るとサッと帰ってしまいます。
これがニューヨークに行くと(行った事はありませんが)やたらと話しかけられるそうです。乗り込んだバスが渋滞に巻き込まれてちっとも進まない時などイライラしますよね。後ろの方の乗客が「窓からコーラを買ったのよ!」と云って周りを笑わせています。「おい、君のバスを運転してやっているこのオレの分も買ってくれたんだろうね」と後に向かって怒鳴ったのは運転手。車内はさらに大きな笑いに包まれるのです。
言葉も通じにくい色んな人々が暮らす大都会だからこそ、互いに自分は危害を加えるような人間ではない事をアピールする事が必要なのでしょうか。世界一お節介で、おしゃべりで、図々しくて、でも憎めないニューヨーカーたちは欠点だらけでも温かく生きています。
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