阿部寛

『チ-ム・バチスタの栄光 上・下』 宝島社文庫 海堂尊 価格 各 500円(本体476円+税)
時津風部屋の若い力士が稽古中に亡くなった事件は当初「急性心不全」による事故死として扱われていました。それが後の行政解剖の結果、「多発性外傷によるショック死」という死因が明らかになったのです。
日本における死体解剖率は2%台、98%は体の表面を見るだけの言ってみれば「いい加減」な死亡診断が行われているわけです。
第4回『このミス』大賞受賞作「チーム・バチスタの栄光」の作者、海堂尊は病理医です。彼がこの作品を書いたのは、死因を特定するためにも解剖の重要性を訴えたかったのが理由であるそうです。
さりとて遺体にメスを入れるというのは日本人にとっては中々受け入れがたいものがあるでしょう。そこで彼が進めるのがAi(死亡時画像病理診断)です。遺体をMRIを使って画像診断するというものです。
ミステリー仕立てで展開する小説を読みながら、こんな事も考えさせられるのです。病院という組織を掻き回す存在として登場する破天荒なキレモノ役人白鳥のキャラクターが奥田英朗描くところの精神科医伊良部にそっくりなのでニヤニヤしながら読んでいました。そうしたら、映画・ドラマではどちらも阿部寛が演じていたのを知ってまた笑ってしまいました。
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