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そして、星の輝く夜がくる

Photo 阪神・淡路大震災の時に神戸で被災し、妻子を失った小学校教師が主人公の小野寺徹平です。東日本大震災によって甚大な被害を受けた東北三県から「教師が足りない」という要請を受けた神戸市教委が2011年5月に34人の教諭を派遣する所からこの物語は始まります。「まいど!」と教室に乗り込んでいった彼は、子供達に作文を書かせます。ただし「もうやってられんわ!って腹立つことを必ず書いてくれ」と言いました。そして黒板に「がんばるな!」と大書して、子供たちを驚かせた後は、作文をもとに『わがんね新聞』を作ります。創刊号に小野寺の檄文が踊ります。…第一小学校の諸君。町は全然復興しないし、家にも帰れない。こんな生活はイヤだ。いや、おかしいぞ!みんなもっと怒れ、泣け、そして大人たちに、しっかりせんかい!と言おう。『わがんね新聞』は、この世の中と大人たちに、ダメだしをする新聞です。…経済小説で知られた真山仁ですが、1995年1月17日には神戸で被災しています。あの時の復興のスピードと今回とのあまりの違いに驚き、書き上げました。被災地が抱えている問題とそれによって起きるであろう様々な感情をタブーを設けず踏み込んだという短編集です。

『そして、星の輝く夜がくる』 講談社 著者 真山仁 価格 1,620円(本体1,500円+税)

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