半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義
アニメ『風立ちぬ』を観ました。糸川先生がそっくりで笑ってしまいます。砂川地域大学、最初の講師でしたね~、スゴイ方を呼んだものです。
大正十一年にワシントンで海軍軍縮会議が開かれ、世界の建艦競争がストップします。軍艦ばかり造って武力を競い合っていると財政が持たないのが理由です。主力艦の保有量を制限され、日本対米英六割とされました。そのために鉄と工員さんが大量に余ってしまった。それを何とかしようという事で、隅田川に立派な鉄橋がばんばん架けられたと言うのですから驚きです。もしも軍艦をこさえていれば、多くの兵隊さんと一緒に海の藻屑となっていたでしょう。鉄橋は今でも立派に役に立っているのですから、歴史に学ぶべきです。
これは半藤一利さんと宮崎駿さんの対談集『腰ぬけ愛国談義』に出てくるお話です。アメリカの力が弱まり、中国の軍事力がさらに増強される。アメリカの空母によって中国を抑止し、日本などの安全を保障する力が低下する。中国のミサイル攻撃を防ぎ得ない日本に基地を置く意味が無くなるという時代にさしかかっていると言う認識で、お二人は一致します。そうなら日本のような小国は世界の脇役として生きていくほうがいいのだと言うのです。
『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』 文藝春秋 著者 半藤一利 宮崎駿 価格 616円(本体570円+税)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント